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  映像研究

そうこう

 
・そうこうしている間に6月が終わる。「そうこう」と表現する他ないくらい何をしていたのかよくわからない謎の期間だったけれども、中盤までは主に職場の記録映像を撮影、そして編集するという仕事なのかなんなのかよくわからない労働をしていた。Canon7DでのHD撮影はなかなか新鮮で「2010年の映像制作」を少しだけ体感する。一眼レフカメラにマイクがついているのをじーっと向けられたら大抵人は「…それ動画?」と訊ねるということもわかった。そんなわけできれいに背景がぼけた人が「…それ動画?」と訊ねるシーンが大量にハード・ディスクに記録される。



・そしてそのようなデータを保存するために量販店に「外付けハード・ディスク」を購入しにいったのならば、もうそこには「G」ではなく「T」の単位ばかり。「ギガ」ではなく「テラ」だ。いや正確には「持ち運びに便利なポータブルタイプの外付けハード・ディスク」(ややこしいな)と、「家に置いておいてネットワークと繋がってたりもするハード・ディスク」の大きく分けて2種類があり、後者はもはや「テラ」の世界なのだった。「テラ」かぁ。「ギガ」に比べると弱そうだけれども。ちなみにその1000倍は「ペタ」だそうで、またそれはそれで趣があります。ペタペタ言ってる時代がきっとすぐ来る。



・それにしても「ひふみよ」だ。小沢健二のツアー「ひふみよ」という公演にいろいろな縁あって複数回行ったわけですが、その結果考えてしまったことの多さ、想像してしまった時間の壮大さの前に「ひふみよブルー」といったような心理状態に陥ったり、あるいはまたそのようにいくつかの公演に行くことによって、少なからず「ひふみよ貧乏」といったような生活状態になってしまうことは、それはアーティスト本人とは全く関係のないことだけれども、それはそれで今っぽい。連載を追いかけてたときとは全く違った状況で「うさぎ!」を読み返してみると、その数年の変化から考えられることもまたある。



・あえて断りを入れるまでもなく「つれづれなるままに」備忘録しているものの、ところで「美術」に近い意味での「アート」の話題。先週末は職場の後輩も何だかのかたちで関わっているとのことで原宿VACANTへ。「インテル・フェレンツェ」なるイベントをのぞきに行く。かつての(と言うとちょっとアレですけれども)「インター・コミュニケーション的な」ものが別のかたちで脈々と繋がっているのだなぁという印象。そして今やテクノロジー・アートのトレンドは「メディア・アート」でも「インタラクティブ・アート」なく「バイオ・アート」らしい。植物や身体を造りかえていくような、あるいはそのモデルである、あるいはその批評であるような、プロジェクトや造形物、その行程と結果。記録。ここでもまた考えることがあるのだけれども、ごく簡単に言って「もう全然わからない」。それが何かの主流ではないと思いつつ(信じつつ)、素朴にちょっと困ってしまった。