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  映像研究

油が固まる

 
・日常的な寒さについて考えることが多い今年の冬。というのもそれは去年の夏の終わりに街の方から山の方に(とはいえ東京ですけれどもね)引っ越したのが理由で、もちろん引っ越すときに「寒いのだろうなぁ」と思ってはいたけれども、実際のところ、これはけっこうなものです。最近の高尾町の最低気温は-5℃。家の中の最低気温は2℃。そのような状況で、まず台所に置いてある油が固まる。最初はオリーブ・オイル、つぎにごま油、そしてオリーブ・オイル(ヴァージン・オイル)、今のところサラダ油は固まっていないものの、このようにして生活に必要なものが環境によってかたちを変えるということは、考えてみるとなかなか面白い(と思えなくもない/強がり)。しかしながら、そんなのまだまだだと思ったのは、オンラインでふと目にした後輩ガールのベルリン留学日記を読んだからで、あちらの気温は-26℃(!)とのことで、もうこれはちょっと感覚が全く違う何かだ。「電車を乗り換えるたびに缶コーヒーを買う」というようなくだりがあって、そのリアリティは凄くなるほどと思ったのでした。



・12日(月)は、アフタースクールに身近なアート番長Rくんに誘われて、六本木はSuperDeluxeへ。全然予備知識なく誘われるがままに行ったイベントは「大友良英高嶺格の出版記念の何か」ということだったのだけれども、実際のところほとんどがライブ(&パフォーマンス)で、何よりもオープニングアクト二階堂和美。CD聞いてるだけで好きとか言っちゃダメだったって思うくらい、その歌声が凄くて何の言葉もない。呆然としているうちに高嶺格のパフォーマンスも「なんだこれ」っていう(いい意味で)とても変なもので、後半の大友良英ライブはギター一本のオール歌モノ。そして最後は3人で浅田美代子「赤い風船」他2曲をカバーして終了。8時に始まってあっという間の3時間と少し。終了後に夢心地で物販コーナーで『大友良英のJAMJAM日記』と『在日の恋人』を購入し、JAMJAMの方にはサインもしてもらう。偶然会場で会ったHちゃんに「お金持ちだ」と言われたけれども、決してそういうことではなく、イベントとして凄く面白かったことへのリアクションのようなものだったのです。そんなわけで終電にて帰宅。