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  映像研究

雑記、せんたっき、と学生寮みたいなアパート、あるいは空想のルーム

 
・今は午前2時半。午前2時半にアパートの住人が洗濯機をまわし始める。この部屋に住み始めて1年半くらいになるけど、ここの住人たちはこの点に関して、かなりフリースタイルだと思う。たぶん若い人が多いのだろう(あんまり遭遇しないのだけど、たまに見かけるとそんなかんじだ)、忙しくて昼間には洗濯できなかったりするわけで、洗濯の機会が増える夏ともなるとわりと平気で夜中に洗濯機をまわす。
東京のアパートメント事情はよくわからないけど、これは普通のことなのでしょうか。だって隣は大家の家だし(しかもほとんど一体化しているような造りなのだ)、もちろん洗濯機は部屋の外にあるのだけど、それもすぐ間近には隣の民家(大家側ではないにしろ)があるし、そもそも結構に閑静な住宅街なんだけどな。


・それでぼくはというと、最初のうちは「いや、それはちょっと」と思っていたのだけど、なんとなく慣れてしまった今では「ごめんさなさい…」と思いながらもまわしてしまったりする。しかも確実にこれは様子を見ながらだと思うんだけど、誰かがまわし始めると「じゃあおれも…」的なかんじでかぶせてくる人とかもいて、夏の夜中の3時とかに洗濯機が5台くらいまわっている様というのは、なんていうか寮のおばさんに怒られないようにこそこそやってる連帯感みたなものを感じて、先陣切ってまわした人に対して「よくやった!」みたいな気持ちが飛び交ってるみたいな気がしたりとか、個人的にはこのかんじ好きです。


・まぁたぶん誰も連帯感なんて感じてないのかもしれないけども、そういう想像は楽しい。
そしてぼくはそもそも隣の部屋の音とかにはわりと寛大で、というか別に大家族出身とかではないのだけど、ちょっとくらい隣の部屋のしゃべり声とかテレビの音とか携帯のバイヴレーションとか(ほんとに聞こえる)、聞こえてくるくらいの方が、眠ったりできるし生活しやすい。だってなんか「人が生きてる!」みたいなかんじでいいじゃん。と、いう話をずっと前に友人(女性)にしたところ、「私はあなたは(仮に)自分とルームシェアができるような人だと思っていたけど、どうやらそれは間違っていたようです」というような内容のことを言われた。「ルームシェアができるような人」にそもそもひっかかるところはあるにしろ、いや、別に積極的に聞いてるわけじゃあないんだよ、ということは強くアピールしておきたい。何のためにだかわからないけど。


・部屋の外の音に意識が向かうのは季節も関係あるのだろう。やっぱりそういうのは夏だと思う。だって冬の窓の外なんてもう全く想像もしたくないし、同じ空間なのに全然違う場だ。