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  映像研究

ひっそりとなくなる

 
・ついこないだ行ったばかりの「NADiff(ナディッフ)」がこの5月いっぱいで閉店するとのこと。夏の暑い日に原宿周辺を歩き回っているようなときに、ふらっと入るとクールダウンさせてくれる(そんなイメージの)、とても良いたたずまいの本屋だった。HPには「新中核店舗は年内開店を目指し、鋭意準備中」「それほどの時間をかけずに、新たな地、新たな容れ物、新たな名前でお会いできることと思います」とのこと。復活に期待しようと思う。


・ところで昨日久々に池袋を経由したので、池袋西武のリブロの中にある、詩を専門に扱うコーナー「ぽえむ・ぱろうる」に行ってみると、なんとすっかりなくなっていた。全然意識してなかったけど、ちょうど一年前に閉店していたとのこと。別にものすごく足しげく通っていたとかいう記憶はないのだけど、なんとなく悲しい。そしてこんなふうに、ちょっと気に入ってた池袋西武関連のショップは、いつもひっそりとなくなるということを思い出す。
例えば高校生の時に、ウォーホールデュシャンバウハウスを知ったセゾンミュージアムワールドミュージックとインディーズ雑誌が充実してたWAVE。LOFT最上階にはなんだかわからないエスニック雑貨や、今で言うところの「デザイン家電」系がたくさんあって、アール・ヴィヴァンでは「気持ちの悪い双子の写真集」をいつも買えずに立ち読んでいて、それが「ダイアン・アーバス」という女性写真家の作品だと知るのは、ずいぶん後のこと…。


・そして「ナディッフ」の前身が「アール・ヴィヴァン」だということを、この一連の(?)流れで初めて知りました。それを知って一瞬、何かがつながったような気がしたけれど、多分それは気のせいだと思う。例えば宮沢章夫が『「80年代地下文化論」講義』で書いていたような「文化的な」関連性は、全然ないのだと思う。ただ自分のタイミング的なもの。


・そんなことを考えつつ、普通に本を数冊買って、渋谷に移動しました。