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  映像研究

突然の夏

・後から書いておく記録。爆発のような暑さが突然来た。その中にいる。暑さや眩しさが珍しく突然の出来事を楽しんでいる。同時にこういう年は、急に梅雨に戻り長引いたりあるいは梅雨明けが驚くほど早くても8月には秋の長雨のような気候が続いたりするのではなかったか。今から夏の中心と夏の後半のことを考えている。はじまったばかりの夏の前で。

 

・業務で八王子の奥まった地域へ出張だった。いま住んでいる地域も緑が目立つが八王子の西の方へ来るとまた別の風景が開ける。光と植物の力が凄まじく圧倒されるように思う。今から十数年前に高尾に住んでいた頃の感じ、そして高尾に住むことを決めた時の感じを覚えている。覚えている、は適切ではないかもしれない。身体のどこかで感じ続けている。それは幻想的でもあった。言葉にもし難く写真にも映っていないから、その「感じ」は自分が何度もそれを語り直すことでしか持っておくことができない。高尾は正しく山の裾野のフェードイン/アウトの地点でもある。

 

・出張は準備の甲斐あり無事に終わり異様な開放感。まだ明るかったからセールの気分を味わうべく郊外のアウトレットへ。家族も合流する。しかしアウトレットはいつでもほどほどにセールだった。ノースフェイスに行きアイスブレーカー製品を探す。DISCO TO GOの頃の小沢健二を思い出すボーダー柄のメリノウールのTシャツを購入した。その後焼鳥屋で軽く一杯。帰宅して二次会。『新日本風土記』の野毛の回を視聴しながら就寝する。これは夏の土曜日。

 

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20年前の雑誌

・業務のある木曜日の記録。午前中は家で作業して11:30くらいに外出して半蔵門へ。途中乗り換えの渋谷で降りて昼食。そして渋谷古書センターへ。月末で閉店ということだった。古い雑誌を少し見る。その後午後からJCIIライブラリーで必要な資料をコピーをする。のち新宿方面へ。久しぶりにキンコーズへ行く。すっかり忘れていた製本について詳しく教えていただく。その後職場に16:00から21:00。あっという間に時間が消える。夏の準備が迫り出してきていることを感じる。

 

・気温が上がり空気が膨張する。一週間前とはまったく違った環境にいると思う。

 

・移動する一日にずっと読んでいたのは、『現代詩手帖』(2002年7月号)。家の本棚で背表紙の「ドキュメンタリー 映画・世界を映す」というフレーズが気になって引き抜いてみたら完全に20年前だった。何かを引き寄せたかもしれない。巻頭の鼎談『「彼女」たちの映画を私たちの目に(佐藤真+青山真治+北小路隆志)』を読む。『花子』、『SELF AND OTHERS』、そして『ユリイカ』について語られていることも興味深い。まだ整理できていない。

 

・古本屋で購入したようだから読んだのは2005~2010年くらいかもしれない。それでも現在からは遠い。はるか昔と思われる。

 

・20年前の「鼎談」で提起されている問いはその後(他の誰かによってだとしても)探究されたのだろうか(いや、されていない)というような考えが浮かぶ。あるいは、写すことや映ることに対する信頼が相対化されていく中で、こうした議論はどこまで共有可能なのだろうか、と問うてみることもできる。「自分は信頼してます」ときっぱり言ってそれで終わり、という態度もあり得るが、この世界の映像は展開し続けている。そのことをどう考えるか。中断して。

 

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柔らかさ

・後から書いておく記録。数日前に自転車の鍵(ワイヤー)をかけようとした時に、想像していたよりもかなり「ぐんにゃり」していることを感覚する。これが寒い季節ならば、自転車のスポークと自転車置き場の器具とを束ねる際に抵抗感があるのだけれども、それがない。これが夏だった。夏になると硬い物も柔らかくなる。ワイヤーでこの様ならば人間の身体であればどうだろうか。色々な部位が「ぐんにゃり」しているのか。

 

・貴重な作業の日。朝からデスクに向かって書く。書くよりも直す。直すよりも整える。来週に一度通して読める様に体裁を整えることが必要だった。Wordの謎ルールとの格闘。昼の休憩を挟んで18:00くらいまで継続した。表記を統一し、引用を確認し、文献一覧をちゃんとして、注もちゃんとする。そうすると少し論文らしくなった。何段階かの作業のうちの一定の基準まで持ってきた感触がある。あとは図版の整理が必要。作業のためのメモ。

 

・書く作業ではないからラジオを、あるいはラジオ的なものを、と思ってYoutubeを開いたならば山下達郎のアルバム発売という情報。自分にとっては2005年の『SONORITE』が印象的だったが、2011年には『Ray of Hope』が出ていた。そして『softly』。最近出演したというラジオの録音を聴く。声というよりも話す雰囲気にふと菊地成孔的な何かを思い出す。食い気味と言い切りの感じと程よい適当さだろうか。いつかチケットを当てて 歌を聴きたい。

 

・仕事の山場を越えたという家族に打ち上げを提案して便乗。自分は全然打ち上げるような状況でないにも関わらず、最寄駅からふたつ隣の駅のカジュアルなイタリアンで気をつけながらの飲食。

 

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夏至の重力

・202206212110。帰宅する京王線で試みに書いてみる。火曜日の夏至である今日は絶妙に意識のはたらきが弱い。言葉が出てこない。しかしそんな時にこそ書いても良い。暑さ、湿度、冷房、あるいは気圧などの要因を考えたが、接近してきた太陽が影響しているのではないか。天体の運動を想像しながら。

 

・午前中は家で作業。読み、直す作業をする。明日には次の段階へ進むはず。11:30まで。

 

・家を出て職場へ向かう。前に職場近くの蕎麦屋へ飛び込みとろろ蕎麦。その後職場で小一時間の準備をして外出。書類を束ねる器具を探しに世界堂に立ち寄りつつ出張業務を夕方まで。再び職場に戻り21:00まで夏の準備。

 

・立ち止まり、カレンダーを思えば、この6月の消滅の速度が異様に思われる。それは何かに盗まれているように消えていく。あるいは燃え広がるように消えている。