&

  映像研究

2012年8月30日の山

 
・双六小屋のテント場から歩き始めて、双六岳の山頂へ。その山頂までの道が美しかった。思わず「美しい」と言いたくなるような場所だった。広くて、開けた、色々な色のある、それでいてまとまりを持ったような場所だった。こういう場所があるのだなと思った。そういう時間は一瞬で過ぎる。そして季節は暦の上ではもう秋なのだなとふと思ったのは、雲が高く薄く伸びていたからで、そのような空の下、すぐ向こうには槍ヶ岳が見えるのも良かった。


・遠景と近景が交互に意識される。遠くの山と近くの石とがどちらも物体として存在している不思議。道はまたスケール感を失わせる。道は痕跡で、方向だけを示す。往来を示す。その往来に入り込むようにして道を一瞬かすめ見れば、山はそのような視線の移動とともに存在していると思った。


・三俣蓮華岳を経て、三俣小屋のテント場で一度荷物を置いて鷲羽岳へ。山頂でマット(座布団)を紛失。このあたりから頭痛がするようになる。軽い高山病だった。小雨降るなか小屋まで降りる。小屋の喫茶室でコーヒーや紅茶を飲みながら、フォト・シューティング。本格的に雨が降るなかで夕食のカレーを作る。夕食のカレーを作りながらも頭痛。やけっぱちでビールを飲んだのも完全に裏目。カレーを食べきったところで痛み止めを貰って飲んで先に就寝。


・こんなことは初めてだからこそ備忘録。なるべく水を飲むようにして眠る。月が明るい夜。宴会に参加できず無念の夜。