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  映像研究

冬の終わりが来るたびに、

 
・あなたの文字を思い出す。暖かくなる。毎年この季節になると思い出してipodでヘビーにローテーションするのは、松任谷由実の『冬の終り』という曲で、「帰り支度の教室でふいに手紙を渡された」りすることから始まるこの曲が、92年に内田有紀が初めて出た(伝説の)ドラマ『その時ハートは盗まれた』の主題歌だとかいうことは、なかなかの「90年代カルトQ」だと思うのだけれども、そんなことはさて置き/置かずとも、この曲の2番の冒頭の歌詞で「なーんだかー鼻のあーたりーがツーンとするー/木ーの芽ーのかおーりかしらー」という部分があって、当時も今も「いいくだりだなぁ」と思う(思っていた)のだけれども、よくよく考えてみるとこれは「木の芽の香り」でもなんでもなくて恐らくは「花粉」が原因で、ユーミン(あるいは一色紗英)は完全に「花粉症」だということがわかった。時代が過ぎれば感覚を名指す言葉でさえも変化する(かもしれない)。


・そんな冬の終りの日々にくしゃみをしながら毎朝新宿タウンへ出勤している。寝る前の柔軟体操と図書館で借りた武田百合子富士日記』、時々ブックオフ、のちカレーライスの日々。そしてこれは毎年そうなのだけれども、バタバタとした、冬の終り/春の訪れ、の日々の中で「暖かくなったらしたいとおもうこと」だけは際限なく増え続ける。だからせめてそれを備忘録しておくことにしておこうと思う。「山で地図を読めるようになる」「圧力鍋を使いこなす」「某カレー店の本棚を増設」「英語を勉強(これは嘘かも)」etc。暦の上ではもう春。そしてここ数年の自分にとっての春をイメージしてみれば、それは例えばkolorのカーディガンに袖を通した日が自分にとっての春の始まりかもしれないとか思う。


・8日(日)は前日から東京入りしていたアーヴァン・キャンプ・フェス代表かつ、オンライン・山友達のSKさんと昼過ぎに合流して三鷹駅の「ハイカーズ・デポ」を視察。アルコールのバーナーも魅力的だなぁという結論。その後各種ギア話で盛り上がりつつ、吉祥寺に移動してドイツ留学から一時帰国中の後輩ガールIと待ち合わせ。待ち合わせている間に公園口方面の信頼度の高い古着屋にて雪山グッズ「目出し帽(雪の柄)」が1000円で売っていたものだから思わず購入して、これは実に久しぶりのファッションアイテムの購入。関係ないけどしばらく最近まで「目出し帽」を「目刺し帽」だと思っていました。。そしてIと合流して同じく公園口の懐かしの居酒屋にて3人で会食。鍋を頼み、刺身を食らい、日本酒を全種類注文したら結構な金額になったのでちょっと反省。でも話せた内容はなかなかにアットホームかつ新鮮、そして自分の現状を確認。


・夜は更け、夜によっては寒くない。多分もうすぐ三寒四温。温の方が多いところが好き。桜だって咲くのだから、今年はちょっと桜を、春を、好きになってみたい。