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  映像研究

健康診断を受け、スーツをクリーニング、美容院に行き、アメリカ映画

 
・以上四つは私の趣味、ではなくて今週前半に課せられた「特に不愉快では全くなく、むしろ個別の事柄としては好ましいのだけれど、取りかかるまでが(アポイントメントをとることが)面倒くさい出来事」の一例なのでした。健康診断では「全く問題ありません。健康です。」と言われ、クリーニングは翌日仕上げ。美容院は担当の方の勤務日をうっかり忘れて水曜日に予約を取り、アメリカ映画は同僚に勧められるがままに大量にレンタルしたけれどもまだ一本も観ていない。そして今は火曜日の深夜だ。


・今夜は友人の登山部メンバー/不動産&インターナショナル担当に誘われた「カレーパーティーin高田馬場」。NAKATAの人くらい世界を旅していなくもない、アジア各国のカレーの違いに関してトリビアルな知識を持っていないくもない、そんな彼の一押しのインドカレー屋は予想通り、予想以上のハイ・クオリティかつリーズナブルな各種メニューで一同大満足。また、デザート的な意味で食した「生のココナッツ」は、美味くもあり、面白くもあり、いずれにしたって普段食べるなににも似てなくてとても変だ。



・そしてそこで知り合った方に我が「山部」をプレゼンテーションしつつ「ちなみに次回は来週の水曜日に山に登ります」と伝えたところ、当然のことながら「なぜあなた方は平日の昼間に山に登ったりしている/できるのですか?」という旨の質問を軽くアレされたもので、こちらもまた当然のこととして慣れた口調で「フリーランス」「フリーみたいなもの」「フリー的な契約」など、よくわからない「フリー」という言葉を15回くらい使いながら、それぞれの身分を説明する。


・しかしあるいはそこで話される「フリー」という言葉を、「自由」「自由みたいなもの」「自由的な契約」といったように、積極的にその意味をはき違えるということもまた(ささやかな)ひとつの態度であるならば、そこで思うことはやはり、時間に余裕があり、なおかつ金銭にも多少の余裕がある人は、書を捨てたり街に出たりすることなんかとは一切関係なく、誰か身近な人をお誘い合わせの上、平日の昼間にこそ山に登るべきだと思う。平日の昼間に山に登るのは、お仕事を定年退職されたフリーな方か、もしくはその他自由な何者かだと考える。