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  映像研究

・春は何かまだ何もしていないのにも関わらずジャッジされるような感じがありそれが温くもありながら同時に切れのある空気を生む。

 

・午前中はネットでの買い物、荷物の受け取りなど。ものすごく買い物しているが、すべて必要経費と言い聞かせる。修理箇所の多い車検も重なり大変なことになっている。春の不安を乗り越えたい。

 

・昼には月に一度のカイロプラクティックへ。肩が凝っていると言われて肩の存在を思い出した。目と胸の蝶番のように首から肩がある。凝視と呼吸に気をつけながら生活している。肩の力を抜くことは難しいことに気づいた。気づくことから変化の動きが生まれる。

 

・夕方の業務まで時間があったから地下鉄を乗り換えながら半蔵門のカメラ博物館へ。授業の資料として図録を数冊購入する。

 

・15:30から20:30までの業務。新しく現場が動く中で自分の振る舞いを省みる。省みると考えてしまうが本当は省みるも考えるもなく動きたい。夢中で動いている限りにおいて、きっと良い場が生まれると思っている。

 

・『虎に翼』二週目まで続けて観ている。朝の連続テレビ小説大河ドラマも一度も見通したことがない。けれども伊藤沙莉という俳優の顔と声の力に引き寄せられるようにして観ている。春の中心だろうか。

オリエンテーション

・水曜日、木曜日と、異なる現場でともにオリエンテーション。オリエンと略す。オリエンテーションとは何か。ガイダンスとどう違うのか。深く考えないままにこれまでオリエンテーションをしてきた。

 

・水曜日のオリエンテーションは自分が迎え入れる者でありつつ、その自分も新人だから少し混乱があった。一方で木曜日のオリエンテーションは、毎年繰り返している現場だから、自分は純粋に迎え入れる者として振る舞うことができる。「分からないことがあれば何でも聞いてください」と、完全に、本当に、声にできる。その安心。自分に分からないことがあるとすれば、それはこの場所では誰にも分からないことなのだと言う気持ちさえある。慢心には注意。けれどもその安心から生まれる立ち方と声が場自体を支えている感じがある。この感じを知ることの大切さがひとつ。

 

・そして、場所が移れば、このような自分の立ち方も声も揺らぐと知ることの大切さもある。揺らぎ、惑い、自己を紹介することすら難しい。さらさらと紹介できるような自己であったことなど一度もない。本当は「色々あって今ここにいます」とだけ言って終わりたいと思う。この揺らぎを認めて、なおかつ遠くを見るイメージを持ちたい。

 

・何年か前から、それがどのような人であれ、自分が他者を迎え入れる際に、自分の目の前に現れてくれて、ありがとうという気持ちが確かにある。この気持ちは何か。オリエンテーションが終わるたびに少し考える。そして忘れる。

レベル1

・新しい仕事のために、継続している仕事の職場へケーブル類を取りに行く朝。眩しい晴れと満開と言ってよさそうな桜と少し冷たい空気がある。家の前の梅には実がなっている。少し前からようやくタイツ的なものを着用せずズボンを履くようになった。それは初夏にはじめてプールに入る感覚に似ている。この冷たさに慣れるだろうかと確かめながら。

 

・通勤の途中で羽織ものを購入した。それを羽織ることで、自分の輪郭が腑に落ちるような感覚があった。カバーオールのような形の、シャツジャケットと言えばよいのか。きれいな黒。

 

・あっという間に午後の授業時間になり、あっという間に終わる。知っている場所だが、初めての立場で声を発すれば、気持ちよく話すことが難しい。普段そのように意識せずとも別の場所ではある程度の(時間相応の)経験を重ねていたことが分かる。そうした経験が、新しい場所ではあまり役に立たないと感じる。これは普通のこと。レベル1と思ってまた来週ベストを尽くしたい。

 

・夜は本務の職場へ行き契約のための集まりに出席する。こうして色々な場が動き始める。

 

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実家

・実の家と書いて実家。東京都多摩北部のマンションの一室をそう呼ぶ。実家も生家もぼやっとした気持ちとしてある。この場所がもしもいつかなくなれば、記憶において鮮明に浮かび上がるのかもしれない。そのようなことを考えずとも感じながら、ほとんど一日実家で過ごす火曜日。外は嵐のような天候でこれもまた春らしい。母と犬と自分と。天候のせいか非日常らしさがあり、少し気持ちがたかぶっていたかもしれない。昼に買い物に行けば風でビニール傘が曲がる。ロータリーにあった京樽が閉店していたが、それはどのようなしるしと考えられるか。改札やベンチや階段にいつかの友人の姿を探していた。このような場所では強力に過去に引き戻されるように動きが鈍くなる。夜には自分の家へ帰る。

不思議

・不思議な一日だったと声に出す。家族に向けて。24時直前の東武東上線。車検のためにディーラーに車を持ち込み古い車の様子を想像以上に心配されることも。友人がウィルスに罹患し集まりが延期となることも。大変な状況にある同僚の仕事を引き継ぐことになり新しい仕事を覚えることも。オリエンテーションのためにしゅっとしたズボンを求めて思い立ち原宿のコムデギャルソンへ行くことも。急遽時間が生まれた家族と一緒に『夜明けのすべて』を鑑賞(3回目)することも。朝の時点では何もかも想像してなかった。映画の上映中に電話を貰っていてかけ直し、実家方面へ向かうことになる。実家に宿泊する。