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  映像研究

熱中症に気をつけよう。

 
・と思っている。と思っていないと大変なことになるような気がしている。気がしている2012年の夏の始まり。梅雨が開けた最初の数日特有の暴力的な暑さ。猛暑、及び、酷暑。尖った暑さとまとわりつくような暑さのレイヤー構造。気をつけようと思う。日常と日光浴を兼ねることは難しいのだった。自分の体力を過信しないようにしよう。普通の大人の考えだ。


・夏の業務の準備をしながらも、色々な任務、課題、仕事、活動が一度に同じタイミングで来てしまった。不思議だ。しかしこれもまたある種の修験道だと解釈して(というこれは毎年同じことを記している)まずは、目の前にある、できることから、ひとつずつ片付けてゆくより他にない、と思っている。完全に普通の人の考えだ。


・ひょんなことから柄谷行人という人の『世界共和国へ』という本をパラパラと読み返してみたり、あるいは図書館で『「世界史の構造」を読む』という本を借りてみたりしたのは、最近ついぽろっと「アソシエーション」とか「交換様式X」とか言ってしまうことがあるからで、それは何かの状態や、状況、あるいはイメージを指し示そうとするときに、ああ、あの、何て言ったらいいのかなぁ、というシチュエーションでたまたまぴったりくる言葉が「アソシエーション」とか「交換様式X」だったということなのだけれども、今はまだ無い、今はまだ形を持っていない何かを指し示そうとしていることが、最近よくある。


・そしてまたちょうど1年前に『世界史の構造』を読んでいた季節の、あの何かが始まるような予感も、思い出す。


・人生で初めて「お中元」を送ってみた。10年使っているリュックサックが壊れつつある。日曜日には演劇の発表がある。バジルを育てているのだけれども、猛烈な勢いで虫に食われてしまう。毎朝洗濯をすることが楽しみだ。夏の朝のまだ暑くなりきる前の時間は特別だ。この夏は『千のプラトー』を持ち歩いてみようかと思う。小説や詩も読みたい。


・火曜日の夜には友人2人とともに、久しぶりに長い時間で色々なことを話した。自分が今どういうことを考えているのか、人に話してみることで初めてわかるようなことがある。「交換様式X」について。自分にとっての新しい課題について。わからない言葉で話すことだって怖がらないという挑戦について。そしてたまたま隣の席に座った2人の男性客が、ニヒリズムだか、シニシズムだか、スノビズムだか知らないけれども、何かの話をしていた。デモに行かない自分たちがいかに政治的であるかとかどうだとか。BGT(バック・グラウンド・トーク)にはそれくらいの話題がちょうど良いのかもしれない。


・どの夏とも違う夏の始まりの記録。