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  映像研究

色々な気持ちが訪れる春

 
・引き続き会った・聞いた・話したことを記録しておこうと思うそして春は完全にやってきた4月7日の木曜日は久しぶりの業務。4月からの諸々の準備。夕方に終了して吉祥寺へ。昨日のパブリック・ヴューイング&しゃべり場で「せっかくデモに行くのならばTシャツなど作ってみてはどうか」という話が持ち上がったので、基本的にデモを極めてポジティヴで狂騒的な宴だと解釈している自分は迷わず快諾。山部で何枚かTシャツを作ってきたスキルが、まさか「デモ」で活かされるとは夢にも思っていなかった。部長と待ち合わせて三鷹台のSMDくんの新しい事務所でMTG。TLを賑わせていた斉藤和義の弾き語りなど鑑賞しつつ「さて、どのようなTシャツなら良いだろうか」と話し合う。


・その後とりあえずボディのTシャツを購入して、東小金井の某カレー店DFJに立ち寄って店長とも色々話す。10日の日曜日は「都知事選>高円寺反原発デモ>DFJロックフェス」がおすすめのコースということで決定。いずれにしても(どこにどれだけ滞在しようとも/誰と会おうとも/都知事選の結果がどうであろうとも)お酒を沢山飲む日曜日になるであろうとことは確実だ。そして明日以降Tシャツ製作作業に入るので早めの23時には帰宅。そうしてtwitterにてデモについてのDMなど送っているところで久しぶりのの携帯電話に「緊急地震速報」が来る。揺れ。長い揺れ。この家での初めての長い揺れ。平屋の揺れは「みしみし」あるいは「ぴしぴし」と言う。怖いよ。しかしそれは東北でのかなり大きな余震であったことを知る。その後地震の大きさから津波注意報。女川と六ヶ所のことが気になりしばらく情報収集する。いつのまにか睡眠。


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・4月8日は金曜日。寝て起きたら業務。電車の中ではこのタイミングで小沢健二『企業的な社会、セラピー的な社会』を読み返したりもしている今。あるいはついこの間購入した『マーマーマガジン』の辻信一という人のインタビュー?のテキストが震災前に書かれたというのにも関わらず、あまりにも今の状況に対して意味がありすぎて「うーん」と思う。日曜日のこともあり、そしてあたらめて福島の状況が気になり業務中も何だか妙に落ち着かないが、それはそれとして何とか16時には終了。TLの福島の現状(放射線量を測る機械が壊れてしまったのか/値が振り切れてしまったのかどうか)が気になって仕方がないが、ともかく立川でSMDくんと合流してTシャツのシルクスクリーン用のインク購入。今夜はTシャツを作る。20時前に帰宅してT夫妻も到着して作業開始。


・それで久しぶりにシルクスクリーンの製版&Tシャツへの印刷作業。今回はデザインは本業のSMDくんにまかせて自分は完全にデザインの提案&オペレーションもまた良し。「原子力発電所」について問題を提起するデモの中で何をメッセージするか。恐らくは色々な立場の色々な人が来て、その人たちは当事者として、あるいは客観的に状況を観察して、様々なメッセージを発するだろう。自分はひとつのアイディアとして「生命の樹」を見てもらった。地球には色々な生物がいるということ。それら数えきれない/描ききれないほどの生命が微妙なバランスを保って、今この生態系は成り立っていること。そして人間の「生活」とか「文化」とかはその中のほんの(本当に限られた)一部ではあるが、しかしとりあえずそれはその様々な関係の中に存在しているのだということ。そして「原子力発電所」で用いられる最悪な物質は、構成しているひとつひとつを壊すことにおいて、また関係を断ち切ることにおいて、「生態系」を全面的に破壊するのだろう。そのことにははっきりと反対したいと思う。反対というか「困ります」と言いたい。「駄目でしょう」とも言いたい。「気づけよ、ばか」とか思わなくもない。いずれにせよデモンストレーションにおいて、直接的に強い口調で言わなくとも、無言で何が大切なのかはっきり示したいと思った。それでSMDくんは「つち。そら。みず。」というみっつの言葉を真ん中に書いた。シリアスだけど、心地よい緊張感のあるデザインだと思う。25時まで黙々と、淡々と、しかしときに笑い合いつつ作業。明日に引き継いで終了。


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・4月9日の土曜日。縁側からやってくるWちゃんの挨拶で目を覚ます。Tシャツ製作の2日目。部長不在な中、SMDくんとWちゃんとで3人黙々と作業を進める。昼過ぎに切りの良いところで作業中断。それというのも今日は八王子の市民体育館で『ミツバチの羽音と地球の回転』の上映があった。去年に一度は観ていたものの、こうなってしまった今あらためてもう一度観てみたいと思ったのだが、当日券は完売との情報。仕方がない。そしてまだ観ていない人が優先的に観た方が良い。しかし近所で上映会をやる機会もなかなかないので、上映の合間の(「虔十の会」の坂田昌子さんという人との)トークだけでも聞きに行こうということになる。3人でどんよりした天候の中、車を走らせて出かける。


・会場に到着したならば凄い混みようで、それもやはりこの期間の「原子力発電所」転じて「エネルギー政策」への関心の高さからなのか。どうなのか。トークの内容は当然福島第一原子力発電所の事故後の放射能の影響について。この先のエネルギーと人との関わりとしての「電気に頼りすぎないライフ・スタイル」について。そして社会の中でごく自然に自分の意見を発すること(によって生まれる軋轢とどうつき合っていくか)について。話を聞く。その後、せっかくだからと出来立てのTシャツ(NO NUKES!)を鎌仲ひとみ監督に渡すと「明日の藤野の上映会で着る」と言ってくれて僕ら3人満足。帰ってきて引き続き作業。


・それで今。twitterのTLにも明日のデモの話題が並ぶ。自分もそのことについてツイートする。この期間ずっと人と会い話を続けてきたという意味では明日はひとつのポイントになることは間違いない。しかしそれは本当に通過点でしかないということもわかった。話をしてアクションをする。明日はその始まりでもある。