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  映像研究

5月の3週目の日曜日・オフライン・風呂敷

 
・日曜日。日曜日に朝から業務がないなんて、これはある種の、リ・ストラクチャリング?とかなんとか邪推する(邪推ならばよいんですけれどね…)自分を乗せて、初夏らしい陽気の中、意気揚々と中央線は下る。吉祥寺でわっと人が降り、国分寺と西国分寺でまたさらっと人が降りる。結果国立駅に向かう車内は程よく人がぱらぱら乗っている状態で、思わず更にその先の高尾的な風景を想像する。初夏らしいとは、つまりそのようなこと。


・そんなわけで国立駅に降り立った自分は南口のロータリーを早歩く。なぜならば今日は「毎月3週目の日曜日」に国立の「ニチニチ」というお店で行われておられる「日曜市」なのだから。自分にとってその市は、「一年以上ずっとチェックして夢見つつも永遠に辿り着けないユートピア的なイベント」だったのであって、こんなことならば「リ・ストラクチャリング」だって結構なことだと思う(嘘だ)。あっという間に到着したならば、しかしお昼もかなり過ぎていたのでフード系は若干店じまい気味だったけれども(そんな中かろうじて残っていた「八角だかのスパイスが入った苺ジャム」を買わなかったことが本当に本当に悔やまれます。)、何よりも行ってみたかった「古本泡山」さんにはまだ商品がありそれらを見る。


・おっというかんじで丁度読みたかった、石垣りん『焔に手をかざして』を手にタイミングを見て「あの〜…ブログを読んでいて…」とかなんとか声をかけさせてもらったならば、色々とはなしをさせてもらう。そして泡山さん(のお二方)もこの備忘録を読んだり読まなかったり…ということがわかり、それに関しては何とも嬉し恥ずかしなかんじだったけれども、いずれにしても自分としては今まであまり経験のないシチュエーションであるところの「オンラインで知っていた人にオフラインで声をかけさせてもらう」ということが面白かった。オリジナルの冊子『方角』も買わせてもらい、それを読み、また遊びに行こう(ジャムも買おう)と思いつつ、中央線を上る。



・新宿での業務は「お土産を配る」ことと「ほぼ雑談のような話しをする」だったのであって、よくわからないままにとりあえず夕方には終わったものの、その後は、遠くまで旅する恋人、じゃなくって友達にも溢れる幸せを祈るべく、月末に現代美術の都ベルリンへと旅立つ元・同僚への贈り物を探しに現・同僚と伊勢丹へ。確かよしもとばななが昔なにかのエッセーで「くしゃくしゃにしてトランクに詰めてもいいから便利」と言っていた(ような気がする)というよくわからない理由で『イッセイ・ミヤケのプリーツ・スカート、あるいはワンピース』を提案するが、即・却下。その後全くの思いつきで『D&Gのサングラス』を再提案するが、もはや無視。


・結局「ドイツで浴衣で現代美術」というオリエンタリズム全開のアイディアをきっかけに和装のコーナーに行ったならば、「イーリーキシモト」というところの風呂敷が、何とも言えず圧倒的なセンスで売り場にあられたので、それを引っ張り出してあれやこれやしつつとりあえずご予約し、勢いづいて壮行会のお店もご予約。そのような来週の約束を確認することで、初夏の日曜日は過ぎる。