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  映像研究

四月に購入した図書、ちょっと良い雑誌

 
・暖かくなったので山のことを考えている。窓を開けると見える山。電車から見える山。写真の中の山。「山」という言葉。広い場所と足下から萌えたつ匂いを思いながら、日々色々な本を買ったりしている。手に触れる紙や布のことも考えている。Tシャツを着るときの腕をとおすかんじや、ツルツルした雑誌の写真の中に映ったTシャツのパリパリした質感を想像してドキドキしている。もう初夏ですね。

・暖かくなったので山のことが載っている雑誌が本屋には沢山並べられている(ように思います。思いませんか?)。中には「君登る気ないよね?」みたいなパフォーマティヴな雑誌や特集もあるのだけれども、そんな中でちょっと良い雑誌は学研から出てる『Okugai』。某山部員が関わっている(らしい)こととか、某小金井の食べ物屋さんの常連さんが載っていたりとか(ビックリした)しているので、まるでブログを活用した口コミ風の広告のようですが、全くそのような意図もなく純粋に「あ、いいな」と思ったから、そのような感想を記そうと思ったのでした。


・思えばあれは大学生の頃、まだ漠然と「あうとどあーな気分」で登山もバックパッキングもボルダリングも何もかも一緒くたに「おしゃれ!」って思っていた頃に、そのような気持ちを盛り上げたのは、山と渓谷社から出ていた『Mt.』という雑誌(ムック?)で、(惜しまれつつ/自分が知る限り)2号で終わってしまったのだけれども、ギア情報だけじゃなくて、色々なアウトドア・アクティヴィスト(と呼びたい)の哲学、そしてストリートとアウトドアを同じ視線で見てるようなライフ・スタイル(とか言いたい)の提案、のような記事を隅から隅までボロボロになるまで熟読して、当時はワクワクしていたものです。


・そういう感覚が件の『Okugai』という雑誌にもあって、そういう楽しそう/少しだけ賢そう/なかんじが良かったのでした。ストリート感が行き過ぎた結果「悪そうな奴は大体山登り」みたいなメディア情報(結構見かけます)は、それはそれでちょっと引いてしまうけれども(なぜなら自分は全然「悪そう」じゃないから)、もう少しソフトに「面白いことは山にもあるよ。いやいや、山に『こそ』あるよ。気づいてる?みたいな?」とかばっかり最近の自分は言っている。それはきっと広告をしたいのではなく少しだけ誘惑したいのです。そして声でも文字でも本当のことをシンプルに伝えたいのです。