&

  映像研究

特別な記号

・記録を書いておく。土曜日は午後から業務。ラボに写真のプリントをお願いしていたから、午前にそれを取りに行き、この数日でその写真を方々に配り、などと考えつつ途中まで向かい(最寄り駅まで)、しかしそのラボは土曜が定休日であったことを思い出した。うっかりしている。新宿で少し春物衣料を見るなどしたのち職場へ。よく行く蕎麦屋で今年はじめて冷たい蕎麦を食べた。そういえば熱いお茶を入れた水筒を手放して冷たい水を入れたペットボトルを持ち歩いている。

 

・冷えた空気から身を守る体勢が、気がつけば蓄えられた熱を適切に逃がす体勢に移り変わっている。その変化に意識を向けることもある。

 

・ところで、流れ去る時間の中で「311」という数字の並びは特別な記号として残る。特別な記号は自分の実存と関わる。自分の生活や考えを考え直す出来事が、生きている間にどれほどあるだろうか。自分の場合は、その一つが2011年3月11日(以降)の、一連の/諸々の出来事だった。大きく地面が揺れることをきっかけにして、それ以前とそれ以後で決定的に変化をした。ときどき、その点に立ち返り、現在までの時間をたどり直すことをする。ときどき、もしもそれが起こらなかったならば、自分は今どこで何をしているのだろうか、と考えることがあるが、まったく想像ができない。

 

・14:46も特別な記号としてあった。たとえば中央図書館で作業をしていたならば、館内にアナウンスが入り黙祷をしていた。今日は慌ただしくそれ自体は瑣末な業務に追われているうちに、その特別な時間は過ぎていた。そして、こうして、書くことで思い出している。