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  映像研究

冬の終り

・季節が進むほどに睡眠時間が長くなる不思議。朝のラジオで松任谷由実『冬の終り』が流れる今日は二月の最後の日。「なんだか鼻のあたりがつんとする/木の芽の香りかしら」というフレーズを聴くたびに、それは花粉のせいではないかと思っていたが、確かに「木の芽の香り」という感じもある。少し前までぬるいと感じていたような風を浴びて、しかし少し冷たいと感じるのは、自分のからだの内側に熱が蓄えられてきたからだと思う。あらゆる存在が次第に熱を帯びる。変化に揺さぶられながら気づいたら汗をかいている春。

 

・箇条書きしておかないと何をしたのか忘れてしまう火曜日。月末なので銀行に寄り口座から口座に移す。昼食は新宿ベルクでカレーを食べる。中野新橋のラボへフィルムからのプリントをお願いする。初台オペラギャラリーで泉太郎「Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx」鑑賞。VRの待ちの時間に2時間だけ業務。各種準備を続けて終えて戻ってVR。帰宅の途中に仙川で下車してワインショップへ赤ワインを探しに行く。家に大根があり、大根はぶり大根で食べたいと思い、ぶり大根には赤ワインが合うのではないかという発想だったが、気になっていた「イエローマジックワイナリー」の「オーディナリーオレンジ」を購入してしまった。それもまたよし。

 

・帰宅して夕食の準備。帰宅した家族とともに予約していた「まほろ座MACHIDA 小西康陽小西康陽を歌う」を試聴する。2022年は小西康陽の歌とともにあった。8月末には吉祥寺マンダラに聴きに行くことができ、11月には今日と同じように試聴した。職場から持ち帰ったプロジェクターで壁一面に映したのは盛り上がりすぎだった。観月ありさに提供した『パリの恋人、トーキョーの恋人』は当時もお洒落な曲だと感じたが、本人によるカバーにはまた別の違った趣きが生まれる。地上に生きる人間の視点で歌われていた曲が、地上の恋人たちを見下ろす天使の視点で歌われるような改編。カヒミ・カリィ小泉今日子)『私の人生、人生の夏』も良かった。平日の夜はあっという間に過ぎる。「オーディナリーオレンジ」もあっという間に消えた。

 

・変化を感じる二月だった。新しい靴を買って少しずつ慣れていく時間がそのまま春を準備している。

 

冬の終り (2022 mix) - YouTube