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  映像研究

新しい靴、二度目の映画、一年越しのワイン

・日曜日(休日)の記録。業務からも自分の作業からも完全に解放された日。本当は締切を伸ばしている業務の仕事があるが、ひとまず今日は完全な休日ということにした。夏休みの子どものように6時には目が覚めてしまって、コーヒーを淹れて飲み、今日の予定を確認したならば洗濯しながら半身浴。10時前に外出する。

 

・日差しが眩しい。そして熱い。風こそまだ冷たいが、めりめり季節が動いている。

 

・渋谷から青山方面へ。靴を購入するためにJ.M.Weston。一時間ほど試着しながら靴についての諸々を教えていただき、黒いゴルフという靴を購入する。これまでにないレベルの清水の舞台系の買い物。去年のちょうど同じ季節に購入を検討していたこれは事故なく先週まで過ごせた自分への褒美。あるいは未来へ向けて頑張って買う。金額の感覚が変になっている。

 

・その後アニエス・ベーのギャラリーで開催されているグループ・ショー、エスパス・ルイ・ヴィトンヴォルフガング・ティルマンス。久しぶりに空間で作品を見た。来週からはひたすらに見ることをしたい。

 

副都心線新宿三丁目テアトル新宿で『ケイコ 目を澄ませて』は2回目の鑑賞。日曜の午後の映画館は大入りだった。話題になっているからであろうか、子どもから年配の方までさまざまな人がロビーに集っていた。

 

・二度目ならば一度目よりもはるかに色々なことが分かり、何か「見えてくる」ことを期待していたが、全然そのようなことはなく、一度目以上に、流れる展開に一喜一憂しつつ、あっという間に終わった。むしろ謎や疑問が浮かんでくる。ノートの言葉を読む声を、ケイコの声と思っていたが、あれは会長の妻の声なのか、など。手放しの賞賛ではなく、あらためてこの映画についていくことで、映像や映画についてもう少し分かりそうと思う。一つのテクストとして、この映画から何らかの考えの種を引き出したい。

 

・そう考えながら一旦帰宅して、ドライブがてら夕方の中央図書館へ。探していた月刊シナリオの1月号が置いてあった。話題作はすぐに品切れで高額取引されるのは『ドライブ・マイ・カー』と同様だった。借りつつその場で一度読む。シナリオの段階で並べられたシーンが、編集の段階で移動されていると思われる箇所がいくつかあった。あるいはシナリオの段階では、心情が明確に分かるようなセリフがあったが、映画では収録されていない箇所もある。そして逆もある。会長がケイコに向けて発する「ごめんな」はシナリオには無い。すべてを知ることはできないが、このようにシナリオと映画の記憶を照合することから色々と考えることができる。

 

オートバックスとスーパーに寄り帰宅。

 

・今夜は自分の論文作業と業務のカリキュラムの両方が(一応)無事に終わった小さな打ち上げ。タイミングよく熊本の友人から野菜も届いた。春菊はサラダに、葱は焼きマリネに、人参は家族がポトフにしてくれた。そして去年のこの時期に家族から貰ってずっと寝かしておいたワインを開ける。ヒトミワイナリー『SHINDO FUNI(身土不二)2017』赤いワインに対する考えがアップデートされた。するする飲み、飲むことで本当に終わったことを感じる。