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  映像研究

閉じる日の記録

・2022年の12月30日は年内最後の業務。6時に起き7時に家を出て8時から9時まで職場の最寄りのエクセルシオールで自分の作業。9時から19時までが光の速度で消えた。言葉を話し続ける日。思考の結晶としての制作物に対して言葉を投げる。投げ合う。話し聞く。あらためて不思議な活動によって賃金を得ていると思わざるを得ない。

 

・慌ただしく片づけ、年内の労働を閉じる。開いていた分厚い本を一旦閉じるイメージ。閉じた頁からこぼれる諸々は2023年の自分が引き継ぐのだろう。そこから先は現在の自分の管轄ではない。今の自分はただ「閉じる者」として存在している。「良いお年を」を10回くらい呼びかけて職場を出る。

 

・帰宅する京王線で家族と合流する。各種の買い物をしてくれていたことに感謝しつつ年末年始の予定を確認していると、年の瀬の感じがやっと訪れる。帰宅して夕食。業務の日々を前に進める「人参」は先週購入してみたドメーヌ・ショオのグレグレグレープなるワイン。今日の午後は「あと少しでグレグレグレープ」と唱えつつ仕事をしていた。好きな感じだった。二人で一本がちょうど良かった。これは打ち上げ。これは忘年会。

 

・夕食しながら二夜連続でNHKスペシャル「未解決事件 松本清張帝銀事件」を見る。実際にどのような事件なのか全く知らなかった。昨夜のドラマパートも面白く今夜のドキュメンタリーも興味深く見る。歴史について、また映像と歴史について、2023年(度)の自分の強化事項に加えたいと考える。考えつつ、番組が終わる頃には、瞼を閉じる。意識を閉じる。