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  映像研究

人参としての大根

・帰宅する京王線で書くことは叶わなかったから翌日書いておく日記。冬の業務が走り出しかなり重めの2日目。13時から21時まで話し聞き続ける。この調子で年末までもつのだろうかと不安にもなるが山も登りはじめが一番きついと感じる。ひーひー言いながら足を前に進めていると次第に植物や鉱物に焦点が合い、その延長に風景と出会うことができる。というようなことを経験を根拠に信じていることが重要。山の活動の教え。しかもその信は友人である他者と共有しているから、この道を登った先ではパーティーがあることを予感している。書く言葉はメタファーでありかつ現実。

 

・昨日の朝に煮ておいた大根を用いたおでんの2日目。家族が盛大に練り物を追加しておいてくれて、22:30に帰宅してそれを食べる。すっかり煮汁の染み通った大根を食べる幸福。自分の活動を前に進めるために設定する小さな幸福を「人参をぶら下げる」と言うのならば、これは人参としての大根。大根を食べるためにこの2日を過ごした。練り物のバリエーションも嬉しい。久しぶりにビールも飲む。

 

NHKオンデマンドでいくつかの番組を流し見る。『星野源のおんがくこうろん』はジョン・ケージの回。フルでは難しいにしろテレビで「4:33」を演奏する試み。それをパペットに演じさせる感じも含めて志の高さしか感じない。続けて『ドキュメント72時間』は阿佐ヶ谷の角打ちの回。『ドキュメント72時間』を見ていると、行ったことのない場所の直接には知らない人が映されていても、時々「知っている」としか言いようのない感じを覚える。そういう回だった。『NHK MUSIC SPECIAL 松任谷由実~私と荒井由美の50年~』も。