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  映像研究

力を抜く練習

・202212092159。親知らず(右下)を抜いて数日が過ぎたが引き続き歯のことを考えている。あるいは微妙に膨れた顔の輪郭を気にしながら生活している。

 

・ともあれ昨日と今日、そして明日と明後日は業務。この4日間の山を越えれば(などといつも書いている)一年間のカリキュラムが一度閉じ、そして少しの休止を挟んで転がるように2月まで走る。その展開と並行して自分の作業に纏わる諸々もあるので気が抜けない。だが気が抜けないからこそ、身体の力を抜く必要がある。そのように考えた昨日から今朝。急がず詰め込まないようにする。走り出しそうなときにあえてゆっくり歩いてみる。他者に何かを急かさない。

 

・今日は少し早く家を出て、午前は冬の装備を整えるための衣料品を購入する時間にする。MUJILaboのコーデュロイのパンツ、毎シーズン買い足すA Hope Hempの靴下、ほどよい長さのカシミアのマフラーなど。「冬を乗り切るために必要だから」という口実を用意して、考え込みすぎることなく次々購入した。選び抜いて一生の一品、というような方向の選択をするに至らない生活が続いている。一方でそれも一つのフィクションであると考えている。しかしいずれにしても必要以上に物を買い物を持て余すことは避けたい。

 

・業務のチーム5人中4人で集まる。慌ただしく数時間が過ぎ、いつもの通り自分の準備不足を反省しつつ、チームの人たちの臨機応変な対応に感謝。この先に5人全員が集まるのは2月の一瞬だけかもしれない。それを予感させるやり取りもあった。数年前と比較して、自分にとっての業務における「チーム」に対する考えも変わった。変わったことに気づきつつある最近。

 

・業務では面接対策という名目のもとでインタビュアーのようなことをしている。「こんなことは言うべきでないのでは」「こんなことはわざわざ言うようなことではないのでは」などと考えている、その「こんなこと」の中に、その人を明確に示す言葉がある、ことがある。あるいは、そのようなことが多い。そう考えて、次々質問をして話を聴くことは、仕事であることを超えて面白く学びも多い。そしてそれは会話ではないから、感覚的に理解できたように思えても、あえてもう一度問い、時にこちらから言葉にしてみて、最終的にはインタビュイーが自らの言葉で語れるようにしなければならない。同じスローガンを掲げていた人たちが、一人ずつ異なる欲望や信念を言語化するまでのプロセス。ここでも力を抜き、あるいは抜歯のせいで滑舌が悪く、そのためゆっくりと話をしていると、あっという間に数時間が過ぎる。

 

・そしてふと自分の作業のことを考えて、同じことが自分で自分にできればいいのに、とも思うが、一方でこうしたプロセスが他者を必要とするということも大切と思う。