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  映像研究

生まれた街

荒井由実『ミスリム』の一曲目「生まれた街で」のイントロが流れた瞬間に想像される空気の感じがある。発表されてから約20年遅れてその曲と出会い、それは子どもの頃だったけれども、何度聴いても空気の感じは湧きおこる。いまその感じを少し思い出しながら書いてみる。

 

・言葉の通りの「生まれた街」は別にあるが、生まれて育った街は東京都の北西部ということになる。数ヶ月ぶりに実家へ。一時間半くらいの滞在。母親と昼食をして近況を伝えてまた聞き、そして自分は別の用事のために移動。

 

・スクリーンを見続けていることへの反動か、歩く速度で眺めたり見詰めたりしたかった。実家の最寄りのバス停をふたつ手前で降りて歩く。いつか自転車や小さなバイクで通った道は、そこに、そのようにあった。もう通ることはなかったかもしれない道を歩いてみる。

 

・いまは団地らしき建物が並ぶ一帯は、かつては長屋のような住宅だった。その隙間には公園があったように思うけれども、もう覚えていない。取り壊されて建て替えられた世紀の最後の数年にはカメラを持って撮影したから、家のどこかにはその光景が残っているかもしれない。

 

・当時の公園とは違う、隙間のような空間が目に留まり写してみる。

 

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