&

  映像研究

時間の先端

・後から書いておく記録。ある一日。

 

・5月で一番気をつけようと思っていた日を無事故で終えることができた。できたことを素直に喜ぶ。あるいはそのような一週間が無事故で終わろうとしている。

 

・午前中に自分が学生である方の提出のメールを送り、昼前後に別件で面談。無事に終わる。

 

・午後から業務へ。月一の会議。突発的に発生した仕事のために各方面への連絡など。その他面談。

 

・雨だったから少し贅沢と思いながらも最寄り駅まで車で行く日。駅前のパーキングは最大800円。バスの往復よりは高いけれどもタクシーに乗ることを考えると安い。何より少しでも車に乗れることが楽しい。特に最寄り駅に戻ってきたならば、忠犬のように駐車場に停まっている車を見ることが嬉しい。この嬉しさにお金を払っている。言い訳のようにスーパーで荷物になる買い物をしながら帰宅。

 

・行き帰りの電車では檜垣立哉西田幾多郎の生命哲学 ベルクソンドゥルーズと響き合う思考』を読んでいた。同じ著者の『ベルクソンの哲学 生成する実在の肯定』を手にしたことから。西田についても知りたいことが溢れてくる。

 

・偶然手にしたエッセイに「欲望が恐れに勝った」というフレーズがあり、それはある方が学生時代のターニングポイントとしてサークルの扉を叩く場面を書いた文章だけれども、それを読みなぜか唐突に、本当にそうだなと思った。人が何か別の流れに巻き込まれていくときには大抵「欲望が恐れに勝る」というべき状態があるのだろう。その欲望なるものは「志望動機」というような言葉の側からでは、掴み取れず消えてしまうように思えるかもしれない。しかし指し示しがたいものとしてその欲望はある。

 

・業務で、かつて学生と呼んでいた人たちが立ち寄ってくれたから少し話す。まさに「欲望が恐れに勝った」先に生きていることを感じているかもしれない人たち。変わり続ける只中を進んでいるときは身体が何かにぶつかるあるいは擦れるように感じることもあったように思う。くぐり抜け続けるようにして誰もがいる。そのことを思いながら一日が終わった。静かに杯にビールを注いで。