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  映像研究

山のような場所

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・日々の記録。線のようなイメージだけではなく繰り返し巡る円のようなイメージで一年を考える。あるいは暦の一年とは違った繰り返す感じもあるかもしれない。何かをして、たいていはそれなりに夢中になるが、限界だと感じて手放す、そうしてまた「振り出しに戻った」と感じるような、サイクルがある。4年くらいかもしれない。それくらいの周期で着る物もよそよそしく似合わなくなりたぶん顔もかなり変わっている。重力は少しずつ強くなっている。

 

・今日も朝家の周りを軽く歩くないし走る。連休中に家族と散歩した道を一人で。途中住宅の隙間の雑木林に踏み入ると、まるで山のような場所があり、というか、それは山だった。木が切られて、傾斜が削られて、家が立っているから気が付かないだけで、それは山だった。大抵尾根が尾根らしく雑木林の中を貫いていたりするから、その道を歩きながら、ふと風景を見下ろしながら、山だ、と思う。

 

・周囲の風景が変化しようとも、変わらずにあるもの。例えば一本の木。それを見つめることの意味とは何か。

 

・帰宅して少し机に向かった後で、思いついて買い物へ行く。今日は家族の誕生日だったから食材を少しとお菓子屋さんでケーキを購入。近所に二軒お菓子屋さんが少し離れてしかし並んで建っていて、勝手に「どちらも同じような感じ」と思っていたが、入った方の店の中を見て、「あ、こっちの方が良い」と感じる。誰に何の気を使うでもなく正確に言い直せば、「あ、こっちの方が全然好み」ということではあるけれども。ケーキをふたつと明日の朝に食べたいアップルパイをひとつ。思いついて数字の蝋燭も。そういうことをたまにするも良いのではないか。

 

・帰宅して、今日はI君とのオンライン勉強会だった。スティーヴン・ショアの写真論を読み終わり、しばし意見交換などしつつ、次回からの計画について。引き続き写真論について読みたいが、特に「写真の歴史」を記述した本を読み比べてみるという試み。何より自分にとって勉強になる。

 

・夕食にハッシュドビーフ。「サフランライス」を添えてみたくて「サフラン」を購入しておいた。今度はパエリアを作りたい。

 

・夕食を食べながらNHKオンデマンドで『今ここにある危機とぼくの好感度について』3話を視聴。「大学」や「研究」に対する期待が基本にあると思うが、それを表現として抽出するためには、これでもかと困難を描かなければ成立しない、ということなのか。コンプライアンスということが主題と考えられるけれども、セリフのひとつ、ショットのひとつに、過剰な演出とは別の意味での緊張感が漲っていることはドラマとして非常に新鮮。しかしそれは現在において、ある生活を切り取るドラマという表現において、むしろベーシックなことなのかもしれない。