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  映像研究

気を張る記録

・202101202027。帰宅する京王線で絞り出すように言葉を書いておいても良い。今日もまた光の速度で12時間が消えた。タイムカードをガシャっとしてからもう一度ガシャっとするまでの時間は、あるテンションが持続している。あるテンションを持続していないと、他者の放つ予測のつかない言葉に応答ができない。あるいはそのような予測のできない言葉に先んじて自分の展開したい会話の空間を立ち上げているのかもしれない。魔法陣のような。

 

・気持ちを張り詰めていると周囲の他者には力を感じさせているだろう。内側の自分は食べたり飲んだりしたエネルギーが熱として放出されていることを感じている。もう少し力を抜きつつ、酔拳のような、ダンスのような、身のこなしと発話ができればより良いが、なかなかその境地には辿り着けない。自分はある力を放つことで、今が大切な時なのだということを表現することしかできない。その状態から、他者の力を引き出す方に、同じ空間にいる他者が、出来る限り力を抜いて、出来る限り集中して思考と運動ができるような方向へ行けるならば。そのような自己と他者の状態をイメージしながら空間に放つ言葉をコントロールしたい。明日の目標。

 

・そんな日々に、電車で読書する。福原信三について話されたインタビューが収録されていることから手にした(ぽちっとした)東京都写真美術館から出ている『日本写真史への証言』上巻を読む。巻頭の福田勝治という写真家の生涯が圧倒的に面白く、写真や芸術についてというよりも、人柄と展開の奇跡について思う。20世紀前半に生きた福田勝治の様々な人生の転換は、今の感覚からすると不思議あるいは崇高な物語を読んでいる気持ちになる。距離と時間についての感覚が現在とは異なるのだろうか。そして家族や生命についてもおそらく。

 

・土曜日を研究のための日として守るために、あと2日に出来ることを全てする所存。