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  映像研究

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・202007212149。京王線を乗り換える調布駅のホーム。涼しい。業務は主に話すことだからもしも休みがあれば誰とも話さずただ風景や物を見たいと思う。2017年、2018年、2019年と業務のない夏には中央図書館に通っていたけれども今年はそれが難しそうだから別の過ごし方を考えたい。夏の夏らしさを味わう場所と時間とは。職場で準備的な作業をしていた時にタイムラインで坂口恭平J-WAVEに出演するという情報。誰も入って来なそうな部屋だったので流していると元学生がアルバイトでやってくる。ラジオを流しながら少し会話をしながらそれぞれの作業をしている時間も良い。色々な場所と時間を経験している最中に「大人」と思うことが増えた。かつて父親が「夢に死んだ父親が出てくることがあるんだよ」と話していた、全く同じことを口にしていて大人になったのだなと思う。口内炎が気になるという理由でボトルに入った錠剤のチョコラBBを買うことも大人だと思った。大人である自分は、自分の言葉が人にどのように聞こえているのかをある程度は把握することができている。声としてどんな風に響いているか、あるいは、意味としてどのくらい伝わっているのか、想像するより前にわかる。わかるように思う。大人であるからなのかどうなのか、アルコールが身体に合わないと思うことがある。ジョッキのビールを永遠ほど飲んでいた自分は今とは違うどのような身体だったのか。今はきっと別の風景に変わってしまったかもしれない渋谷区桜丘の坂道を思い出す。どのようにその坂道を歩いていたのか。夏のいくつかの記憶。記憶というより感覚。感覚の残り。