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  映像研究

暑さを避けるようにして今

 
・気がついたら梅雨が空けていた。驚くべきことに夏。あまりにもあっさりと夏がやってきて連日猛暑。あの夏とこの夏の間に八王子から稲城に引っ越してきたものの暑さの質は全く変化ないように思われる。昼間になると圧倒的な太陽の熱に照らされてぼうっとしている。夕方になると夕立が降ったりする。太陽が沈むとほっと一息つくような。そしてこの間にも色々な出来事が次々にやってきてぶつかる。そのたびに体勢を崩しながらしかし辛うじて立っている。普通に立っている。それは生活をするということで例えば日々ぬか床からやってきたぬか漬けを食べるようなことかもしれない。暑いので文章にも脈絡が無くなってくる。暑さを避けてインターネットがフリーなスポットであるところの駅前のコーヒー店にいる今。


・ふと去年2012年の7月から8月にかけての備忘録を読み直してみた。時々自分が書いてみた断片的な文章を辿ることも面白い。そして予言的に直近のレポートに使える断片が見つかったりすることも面白い(助かる)。8月にはこれはもうある種の修験道的なことだと思って毎日文章を書き、そして毎日youtubeのリンクを貼る、ということをしていて、しかしそれはそれで今読み返してみるとけっこう意味がある。役に立つこともある。だから今年もそういうことをしてみようか。労働の季節の真ん中に飛び込んでいく上で何とか自分のからだの動きの跡を留めておくような種類の記録が必要になってくるかもしれない。そして去年の夏からバトンを受けとるようにして、ドゥルーズ=ガタリの『千のプラトー』を引き続き読みたいと思う。


・21日には参議院選挙がある。いい感じの一票を入れたい。


・日曜日の夜には現チーム同僚と新しく同僚になる予定の人と4人で新宿で一番アナーキーな居酒屋(私見)にて打ち上げと暑気払いと何かの労いでビールをたくさん飲む。どういう話の流れだか2011年の3月11日とそれ以降の時間と出来事について話をして、どういう話の流れだか2001年の9月の11日に起こった出来事について話をした。「デモ」について話をした。「デモに行ってどうでしたか?」という種類の質問を、デモとは縁遠いと感じていたという同僚かつ後輩から投げかけられて、今の自分が考えている事柄と、去年の夏の自分が考えていたような事柄と、2011年の3月に考えていたような事柄と、それ以前にもずっと考えていたような事柄を想起しながら、なるべく正直に話そうと思った。普段年齢がどうだとか、何が起こったときにどういう生活環境だったからとかあまり意識して話さないけれども(年齢が近い人と話をすることが多いからなのかどうなのか)その時は、なぜか、10歳以上年齢が下の同僚に対して、できるかぎり、偉そうではなく(これが本当に難しい)自分が考えていることを伝えた上で、相手の話を聞きたいと思った。


・アスリート的な心境でなくもない2013年の夏。去年の12月から今年の4月までただ目の前にあるやるべきことだけをやるような季節に鍛えられた感覚を参考にしながらここから先の2、3ヶ月を駆け抜けたいと思ったりもする。そのためにまずはしっかり計画を立てなくてはいけない。そして何よりも体調を整えなくてはいけない。できるかぎりのパフォーマンスを発揮したいと思っている。この心境は何だろう。


・「何人かの前でひとりで話をすること」とはどういうことだろうかと考えていた。考えざるを得ない状況がありそして考えるのも実践するのもやぶさかではないよという気持ちがあった。それがきっとここ一年くらいの自分の中のテーマであったり目標であったりする(「目標」という言葉が出てきてびっくりする)のかもしれなかった。ワークショップ的に複数の視点が重なり合うような場をつくることは自分にとって引き続き興味があることだけれども、一方ひとりで、自分に視線が集中するような関係性の場で、一体自分にどういうことが出来るのだろうかと考えていたりする(「出来る」という言葉が出てきてびっくりする)のかもしれなかった。そして最近は「課題をつくること」についてまだ何かしら面白いことを考えられるかもしれないと思っている。そしてまたレジュメとかプリントをつくることについても何かもう少し開拓できることがあるのではないかと思っている。学びの場について(せっかくだから)考えている。


・気がついたら、目標を立てて、がんばろう、とか言っていた。驚く。これは2013年の夏が始まる季節の備忘録。