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  映像研究

映像と怪物

 
・ここ数日お腹が痛くなるくらい考えた結果、金曜日にとうとうイメージ・モンスターを購入。イメージ・モンスター、略して「イメモン」。これはCANONデジタル一眼レフカメラの愛称です。それにしても購入すること自体が大仕事だ。久しぶりの高額なショッピングによって神経は完全に衰弱。しかし中途半端な贅沢品の購入と比べれば、少なくとも「ワークのために必要な機材」を購入することの方が気持ちとしては楽、かもしれない。


・それにしてもイメモン。イメージ・モンスターとは何か。そんな必要は全くないにも関わらず、強いて言うならなんと訳せばよいのか。あるいはそこからニック・ネームを付けるというのはどうか。カメラであることから素直に解釈すれば『映像の怪物』あたりが妥当かと思われるけれども、ちょっとニックネームらしくない。しかし例えば「それってイメージだよね」というときの実体のなさから意訳したならば『凄いものふう』ということになり、急にテンションが下がってくる。そしてまた例えば「モンスター・ペアレンツ」と言うときの「モンスター」の意味に注目をして超意訳をすれば『困った不思議ちゃん』という解釈も出来ないこともない。しかし色々考えた結果(暇だったので)一番しっくりきた意訳は『目玉おやじ』だ。怪物から妖怪になった。


・そんな目玉おやじが家にやってきた翌日の土曜日は朝から家の近所の墓場の裏で(モンスターだけに)実験的に撮影。もちろんカメラなので写真も撮りつつも、しかし特に実験したかったのはムービーの方だ。解像度によって映像にどのような印象の違いが生じるのか、あるいは大して生じないのか、ということを実験してみたかったのです。データとしてのサイズの大きさに、情報つまってんだな〜と思いつつ、しかしそれはあくまでも取り扱う際に時間がかかるかどうかということの問題であって、当たり前だけれどもそこに何を発見するかということは別の問題だ。


・そんなことを考えながら撮影をしながらも、まだほとんどちゃんと見返せていない。大変だ。自分が何を撮影したいのかわかっていない映像の撮影は大変だ。まず歩きながらよく見て、そこで気になったところを更によく見て、カメラを覗いてよく見ながら撮影する範囲を決定し、そして撮影しながらもよく見る。それを現場でちらりと再生して見てみて、もちろん家に帰ったら何度か再生して、それこそ「よく見る」。映像の怪物どころか、目玉おやじどころか、イメージ・モンスターは「よく、見る」ということなのではないかと思えてきた。よく見る自分と、よく写すモンスター。怪物にはなりたいがアウトサイダーにはなりたくない。