&

  映像研究

フェイスシールドについて

・車で職場へ行く5月最後の水曜日。車窓を眺めればすっかり日常のように見える。職場で会議や来月からの準備など。オンライン/オフライン両方の可能性を残しつつ準備をするこれが「新しい日常」なのだろうか。新しい日常においては一人一個の「フェイスシールド」が配給される。ついに自分がフェイスシールドを装着する日が来たのだなと謎の高揚感があることも否定できない。フェイスシールドに大きく「Face Shield」と表記してあるのは仕方がないのか。フェイスシールドの入った紙袋には「フェイスシールドには名前を書いてください」とあり、いよいよ新しい日常だと思う。どこまでふざけていいのかわからないし、フェイスシールドに合うファッションを考えることが許されるのかどうかもわからない。そのうち誰かがマジックで気の利いた面白い何かを書いたりするのだろうか。

 

・帰りに新宿方面から家族を迎えに行くため渋谷方面に一度出て246を南西へ移動。池尻大橋、三宿三軒茶屋はざわざわしていて新しくない普通の初夏の夕暮れに見える。ずっと頭には「POLYSICS」のことがあり、それはフェイスシールドをしているイメージによるのだが、帰宅してイメージ検索してみるとPOLYSICSが装着していたのはまったくフェイスシールドではなかった。POLYSICSはおうちでライブのようなことをしており、自分のPOLYSICSに対して持っていたクールなイメージは遥か昔のことなのだと思う。その後『誰でもピカソ』に出ていた「グラインダーマン」を検索するが、それもフェイスシールドとはまったく関係がなかった。家族から「クリーミーマミがフェイスシールドを装着していた」という情報を得るが、自分が考えていたフェイスシールドとは少し違う。しかもアンダーカバーのTシャツにプリントされており、どういう文脈なのかまったくわからない。フェイスシールドとは全然関係がないミラクルヒカル経由の広瀬香美の動画を流しながら少し作業をして就寝。フェイスシールドと口に出したり文字にしたりしたいだけかもしれない。