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  映像研究

第六回

・日曜日のオンライン業務は二回目。朝から夕方までzoomに接続しつつ適切なタイミングでコメントをする仕事。「ブレイクアウトルーム」という機能を駆使していると、人間がネットワークの空間で駒のように移動する/させることをイメージするから酔う。ゲームのようなことをしていると思う。大抵のゲームは現実のアクションや出来事や物語をシミュレーションしているのだろうが、ここにおいて事態は逆転しているのではないか、というポストモダニストの言いそうなことには距離を取りたい。しかしゲームであれCGであれ写真であれ、本来映像が持っている「現実を二重化するはたらき」を感じまくる日々ではある。「自分が何をしているのか」がつねにつきつけられている。その疲労

 

・業務を夕方に終えて近隣の大型スーパーへ買い物。ベランダ菜園のパクチーが好調だから、たたかれていない鰹にオニオンスライスとパクチーを豪快に乗せ、オイル、ナンプラー、塩胡椒、レモンを絞るという、空想のアジア風カルパッチョにはまっている。美味しい。

 

・野村訓市のTravelling Without Movingが終われば、山部オンライン・ミーティングが今夜で第六回目。この夜はひょんなことからSNSと政治とイデオロギーについてのトピックだった。自然災害や疫病と併走するように事態が進展してゆく。自分は自分を説明する語としての「ナチュラル・ボーン・左翼」という表現がしっくりくるが、一方で「自由」や「共同体」に対して、どのような考えあるいは感性を持っているかというと、もう少し解像度を上げなければ人に伝えることができない。諦めのポーズは時に心地よいが率直に理想的でもある。しかし、陰謀論からも距離をとり、かつ多国籍企業的なものに対して、部分的にであれオルタナティブな生活などあり得るのだろうか。そうした大きな「問題」に対して、それぞれの生活/現場で感じている言葉はすべて重い。アカデミズム批判にも当然慎重であるべきだが、確かに学際的批評の言葉だけがどうにも軽々しく思えることはある。自戒。

 

・24:00におやすみなさいと切断。就寝。