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  映像研究

2019年10月の終わり

・2019年10月の終わりに。どんどん季節は流れていく。9月と10月、そして11月も友人知人の作品を見る機会が多く、というかほとんど週末にはそのような予定を入れている。展示、芝居、映像など。そのどれもが2019年に「つくること」を選んでいるという強い気持ちを感じるもので、掻き立てられる。そして掻き立てられることから自分もまたそのような人の間で何事かを進め最終的にドロップしなければならない。焦らず続けようと思う秋。

 

・実家に車を置きにいくことを頼まれ、平日昼間の西東京を車で移動すれば、秋の穏やかな気候も相まってどこか現実から離れた意識がはたらく。J-WAVEは今日がハロウィンだということでそれに纏わる選曲。知っているフレーズが流れて、瞬間に坂本慎太郎『幽霊の気分で』は2011年の様々な記憶を伴うが、しかしその曲はコーネリアスが編曲した別のバージョンだった。「広い通りを死んだ/つもりで彷徨った/景色に溶け込んで/みせたい」という冒頭の言葉、発音、歌がクリアに聴こえ、平日昼間の車から見る風景は歪む。

 

・「風景」ということを考えていると、考え続けていると、ほとんど祈りのような意識について考えざるを得なかった10月だった。もっとよく見たい。言葉から遠ざかって。