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  映像研究

生き延びる

・201910202213。時々「生き延びているな」と思うことがある。「生き存えているな」とも思う。今はそれほど大きなピンチでなくとも。自分も、知っている人も、知らない人も、みな基本的には、何とか日々を乗り越えている。そのことの凄さ。引いた風邪もまた治りかける。業務の4日間も乗り越える。その間にすっかり秋になった。秋であることが当たり前の風景。2019年の秋は新しい黒いナイロンのだらしない形の上着を着ている。秋の空気で思い出す風景はいくつかあるが、かさかさに冷えた桜丘のマンションを時々思い出す。3Fの。隙間風の酷い。2005年から2008年まで。20代の真ん中。どのような質の生活をしていたのかまるで覚えていない。仕事が忙しければ冷たいモルタルにマットと寝袋で寝たりしていた。漫画喫茶のシャワーへ通ったりした。夜中にTSUTAYAに行ったりするのも楽しかったかもしれない。確かずっと音楽が流れていたが本当に音楽を好んで聴いていたのかどうかも定かではない。2019年の秋の真ん中である今日は日曜日で業務が少し早く終わり可能な限りストレートに帰宅する。久しぶりに野村訓一のラジオをリアルタイムで聴きながら家族と夕食。ラジオから流れてきたClairoという人のSoftlyという曲に惹かれる。秋の空(から)っとした空気の感じに響く。ああ何か思い出しそうと思って浮かんだのはDeborahe Glasgowという人のMy Thingという曲で、この曲を聴くといつでも意識は自動的に2005年の10月に飛ばされる。2005年の秋の真ん中にいる自分はこの時間、眠りそうになりながら甲州街道を車で移動している。CDかけたりしている。そういう時間がかつてあったことの不思議。完全に忘れてしまわないように回想。

 

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